さて、カルナヴァウでのマラカトゥ演奏は急に降ってきた雨により6時半頃に終了しました。
そのあとグループの友達と共に「お疲れさーん!」と軽く一杯(僕はお酒は飲まないので、炭酸飲料を飲みました)
それから僕が心待ちにしていたカルナヴァウのプログラムを見に行きました。
そのプログラムはノイチ・ドス・タンボーレス・シレンシオーゾス"Noite dos tambores silenciosos"といい、日本語にすると「静かなる太鼓の夜」という感じです。
いやいや、静かな太鼓の夜ってどんなん!?と最初思ったんですけど、静かになる瞬間があるんですね、これは後で説明します。
この“夜”にはなんと20以上ものマラカトゥのナサゥンが参加するわけなんですが、1つのナサゥンに10個の太鼓の計算でも200の太鼓が登場するわけで、どんな雰囲気なのか想像するだけでワクワクしていました。
会場となったパチオ・ド・テルソ"Pátio do Terço"に僕が到着したときにちょうど“夜”の宴が始まりました。
トップバッターはレアゥン・コロアード"Leão Coroado"で、設立から140年以上経つマラカトゥの代表格です。
少しマラカトゥについて触れたいと思います。
マラカトゥには2つの種類があり、1つは僕が練習しているマラカトゥ・バッキ・ヴィラード"Maracatu Baque Virado"またの名をマラカトゥ・ナサゥン"Maracatu Nação"、もう1つはマラカトゥ・バッキ・ソウト"Maracatu Baque Solto"別名マラカトゥ・フラウ"Maracatu Rural"です。
この2つはマラカトゥといっても全くの別物で、ナサゥンはアフリカにルーツを持ち、フラウはインディオ文化の影響が非常に強いです。
ナサゥンというのは英語でいうところのネーション"Nation"「国、国家」という意味です。
マラカトゥ・ナサゥンにはバトゥケイロ"Batuqueiro"(アウファイアという太鼓やスネアなどを叩く打楽器奏者)以外にも、王様、女王様、王子、王女、召使、奴隷などの衣装を身に付けた人たちが登場します。
これはアフリカの王族の仮装行列を表しているのであり、最近はこの打楽器を使ったグループのことをマラカトゥと呼んだりしますが、厳密にいうとそういったグループはパーカッショングループであって、真のマラカトゥではないんですね。
ただマラカトゥの意義も変わりつつあり、一般にナサゥンで使われる打楽器を演奏するパーカッショングループもマラカトゥとして知られています。
ペルナンブッコ州にはこのナサゥンが40ほどあるそうで、それぞれの個性を持った国家が存在するわけなんですね。
さらに掘り下げていくとマラカトゥのルーツがあるんですが、長くなるのでここで止めておきます。
ちょっと分かりにくい説明になりましたが、ご容赦ください。
この“夜”、午後8時に始まりマラカトゥ・ナサゥンの演奏が延々夜中まで続きます。
しかし本当の始まりは8時ではなく、子どもたちだけのナサゥンの演奏が午後5時からあったので、それも見てたりしたら半日マラカトゥを見ることになります(子どもの部と一般の部、全部あわせて36のナサゥンです、一応名前だけでも載せておきます)
Maracatu Nação de Oxalá
Maracatu Nação Erê
Maracatu Semente da Nação
Maracatu Nação Novo Pina
Maracatu Nação Peixinhos
Maracatu Cambinda Africano Mirim
Maracatu Nação Estrelar
Maracatu Nação dos Vunginhos
Maracatu Filhos de Olorum
Maracatu Nação Cambinda do Amanhã
Maracatu Nação Estrela do Mar
Maracatu Mirim Encanto da Alegria
Maracatu Nação Porto Rico Mirim
Maracatu Nação de Luanda
Nação do Maracatu Elefante
Nação do Maracatu Encanto do Dendê
Maracatu Encanto da Alegria
Nação do Maracatu Estrela Dalva
Maracatu Axé da Lua
Maracatu Nação Sol Nascente
Maracatu Estrela Brilhante de Igarassu
Maracatu Almirante do Forte
Nação do Maracatu Porto Rico
Maracatu Cambinda Estrela
Maracatu Nação Gato Preto
Maracatu Nação Leão Coroado
Maracatu Linda Flor
Nação do Maracatu Estrela Brilhante do Recife
Maracatu Leão da Campina
Maracatu Nação Raízes de Pai Adão
Maracatu Nação Encanto do Pina
Maracatu Nação Oxum Mirim
Maracatu Nação Aurora Africano
Maracatu de Baque Virado Cambinda Africano
Maracatu de Baque Virado Nação Tupi Nambá
Maracatu Nação Estrela de Olinda
僕らのグループの演奏があったので見に行きませんでしたが、すごいなぁ!と驚きました。
僕が見たかったのはエストレーラ・ブリリャンチ・ド・ヘシーフィ"Estrela Brilhante do Recife"、それからポルト・ヒッコ"Porto Rico"の2つです。
でも良いグループは当然トリに持ってくるので遅くまで待たないといけませんでした。
そして“夜”が静かになる瞬間がやってきました。
ちょうど午前0時を回ったそのとき、「これから今宵の儀式を行います」とアナウンスが入り、辺りの照明全てが消されました。
会場に残ったのはステージ上の2本のロウソクの明かりだけです。
アフリカにルーツを持つマラカトゥ、この儀式は同じくアフリカから渡ってきたカンドンブレー"Candomblé"の儀式では?と思いました。
というのもステージに立っていた人がアフリカの言語で歌を歌い、その歌の中でオリシャー"Orixá"(カンドンブレーの聖人)と歌っていたからです。
その間3台の太鼓しか使用されず、会場にいた人たちはみな両手を高く上げアフリカのパワーを受けようとしているようで、まさに「静かなる太鼓の夜」となったのでした。
儀式の最後に白い鳩が放たれ、神聖な儀式が終わり、次のマラカトゥの演奏が始まりました。
もうこの時点でおなかは一杯、4時間もマラカトゥを見続けたわけですから。
エストレーラ・ブリリャンチとポルト・ヒッコの出番はまだでしたが、次の会場に移ることに。
本当に楽しかったー!!!
この続きはまた明日。

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